全部全部雑記

思ったことを恥ずかしげも無く

涙腺

短い冬休みが終わって仕事が始まってしまった。

冬休みは特に何もせず、主に寝ていた。更新していない間も特に何もせず、主に寝ていた。

強いていえば、祖父のお見舞いに行った。

脊髄か何かの病気で下半身が動かなくなり、手術ののちリハビリ中。順調に回復していて、お風呂以外のことはだいたい自分でできるようになったという。まもなく退院予定であru。

 

祖父の病室は病院の5階で、大変見晴らしがよい。

1月1日は天気もよくて雲ひとつなかった。西のほうに山々、東に筑波山が見えた。西の山は高いところに雪が積っていた。山の向こうからじわじわ雲がせり出してきていて、時間が経つと雪の山は見えなくなった。

持って来た御節をつまんでいるのをたまに見ながら、外を見ていた。筑波山の上には大きな月が見えた。

祖父とは他愛の無い話をした。仕事がどうだとか病院のご飯はどうとか看護婦が厳しいとか。祖父は病気をしてから伏し目がちになった。

 

祖父は病院で特に何もしていないらしい。主に寝ている。

本やらテレビやら時間を潰すものは沢山ありそうなものだが、何もしていない。

というのも、何かをじっと見ていると涙が止まらなくなるらしい。涙は正常に出るらしいが、出た涙を吸収する管か何かが詰まっていて、瞳からこぼす以外に無いという。拭けばいいのにと言うと、目の周りが爛れるから嫌だと言う。

「年をとると涙腺が緩くなる」とはよく言うが、実際は排出する管が老朽化しているのではないかと、そのとき他人事のように思った。

祖母の脳と記憶は一瞬で瓦解したが、祖父はまだ問題なさそうである。

 

生きているのは大変だ、と見舞いに行って思った。

独り身だと老後が心配という人がいるが、祖父母の現状を見ると看病してもらうことに自分は引け目を感じる。そして老後のためにと残していたお金が、一瞬で病院に吸収されていくのを見ると、歯がゆい気持ちになるだろうと思う。

人倫を無視して、70になったら死ねる制度の整備が急がれる。きっと刹那的に景気も良くなる。

 

ものすごい量のカラスが飛んできて山の方に行くと、暗くなるから早く帰りなさいと言われた。帰りも月がとにかく大きく見えた。

 

 

今日は手ぶらで仕事に行ったら気分が良かった。おやすみ。