失われたDVDをもとめて
西日がまぶしい帰路を原付で爆走しているとき、ふとNTRについて考えていることに気づく。西日も帰路も原付も、どれも彼女と結びつくものでは無い。
だいたい、なにも考えていないときは勝手にそれを考えているのだ。
今日は、明るいうちに自宅に帰ってきて、ぼけーっとDVDを見ていた。
そしてとんでもないことに気づいてしまったのである。
「自分は彼女が浮気セックスする直前まで見ていたDVDを知らない」
というのも、自分は、彼女が別れる以前に性行為に及んでいたと彼女自身に告白された。自分の常識からはかなり外れている行いだったので、どういう風にそれに及ぶのかを興味深々、眼を輝かせてそれを聞いた。
すると、友達の家で3人でDVD鑑賞会をし、1人がバイトで帰ったあと、ベットに誘われたのだと教えてくれた。性行為に至るまでの科白も話してくれたが、文字通り筆舌に尽くしがたい。
そのタイミングでしか、見ていたDVDの名前を聞けなかったとメチャクチャに後悔している。いま最も知りたいDVDナンバーワンである。興味津々。ちてき好奇心マンだ。
もう話せる状態ではないので、自分から聞くことはできない。だが、いま彼女と話すことができるなら、真っ先に聞く。それほど猛烈な好奇心を寄せている。
いつか、自分が彼女が浮気セックスの直前に見ていたDVDを見て、感動している可能性が有る。クソだな~と思ってる可能性もある。
答え合わせができないのは、とてつもなく悲しい。
「あいまいにあまい愛のまにまに」そんな境地には未だ達せず。
昨日はプルーストの誕生日だったらしいので、タイトルを寄せてみた。
『失われた時をもとめて』を読破できる人を単純に尊敬する。
カブトエビはまだ孵らない。風邪も治らない。