目が悪くなる
裸眼だと、30センチくらい先にある3センチくらいの文字が、眼を凝らしても読めない。眼鏡を換えるたびにレンズの厚さが増していく。就職のための健康診断で、自分の視力が0.04だとわかった。健康な人の目の、1/25しか見えない。0.01をきっていると思っていたので、意外と視力があった。
なぜこうも目が悪くなっていくのか。たぶん何かにピントを合わせるという作業を行ってきたからだと思う。どこを見るにしても、きっと自分はぼやっとしか見ていないのだ。だから観光に行っても、なんとなく流してしまう。そして目が悪くなる。
雰囲気をつかんで終わる。ある小説の物語はしっかり覚えているけれど、登場人物の名前を全く思い出せないようなもので、これではその小説について魅力的に語ることができない。
我ながら目が死んでいるとよく思う。死んだ魚の目というのは適切すぎる比喩だ。自分が魅力的だと感じる人の眼は、なぜか水分が豊富である。そういった人たちは涙を流すのが簡単そうで、つまるとこと感情表現が上手いのだと思う。目薬をさして寝る。