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思ったことを恥ずかしげも無く

タヌキと金魚

また家の金魚がタヌキに襲われた。低いところに置いてあった水槽の蓋が開けられて、3匹の金魚が犠牲になった。ガラスの蓋を割らずにあけて、律儀なものである。流金の鱗と綺麗な尾びれでけが、これまた律儀に残っていた。

金魚が食べられるのは仕方ないしかわいそうとは思わないが、父親はかわいそうである。朝晩かかさずエサをやって、丸々肥った金魚が野生に強奪されたのだから。

おそらくタヌキが水槽の蓋を開けたとき、金魚たちはエサだと思って迷わず水面にやってきて、逆にエサになってしまったのだろうと思う。この想像はとても悲しい。

だけど夜中外に出ると、水槽の周りは水浸しで、足跡がウッドデッキを点々としていることがあるから、多分タヌキは水に潜れるのだと思う。だから、どっちにしろ蓋が開けられた時点でおしまいなのだ。

 

それにしても、タヌキはどこに住んでいるのだろう。水槽に金魚がいなくなった今も、水に濡れた足跡をしばしば見かける。おいしい金魚がいるとわかって、家に出入りしているのだと思う。田んぼの向うの、たくさん木の生えた辺りから出張して金魚を採りに来ているのかもしれない。

栄養満点の金魚が必要だったら、妊娠しているかもしれないと思うと、また胸が膨らむ。それは、このあたりにまだタヌキが生息しているということだ。子ダヌキを捕まえてきて、飼ってみたいと思う。

 

母親は本当にタヌキを飼っていたそうで、笑ってしまう。成長して悪さをするようになったので、おじいちゃんが殺してしまったそうだ。その晩はタヌキ汁だったという。外側は剥製になっておじいちゃんの家に飾ってある。タヌキは今も、傘をかぶって、お酒をぶらさげて、床の間で遠くを見つめている。